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「まばたきのあいだ」から考える、子連れBLの意味。

まばたきのあいだ(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)まばたきのあいだ(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)
(2014/06/09)
須久 ねるこ

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まばたきのあいだ(2)<完> (KCデラックス 週刊少年マガジン)まばたきのあいだ(2)<完> (KCデラックス 週刊少年マガジン)
(2014/10/09)
須久 ねるこ

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「まばたきのあいだ」を読んだ。

父親相手に恋愛をするといういわゆる「子連れ」のBL物語だったのだけど、サラッと読み終わってしまった。心理描写は丁寧すぎるほどで、それよりエピソードを読ませてくれよ!と思ったのだが、もとは携帯コミックスなのでしょうがないのかもしれない。

エピソードの弱さもさることながら、「子連れ」であることの意味が無いのも気になった。子供がお利口さんすぎるというか何というか、子連れにする必要があったのか?というくらい、子供が空気だった。

そこで、子連れ設定を活かしたBL漫画をいくつか挙げ、「子連れ」というジャンルの意味について少し考えてみたい。



エースの休日 (花丸コミックス・プレミアム)エースの休日 (花丸コミックス・プレミアム)
(2013/04/26)
西田東

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今までも子連れの作品を数多く描いてきた西田東だが、子供が話を動かした作品といえばこれだろう。
終盤、ふたりの男がプライドやらなんやらで本音が言えずウダウダし、あわや別れの危機…という時に、子供が素直な気持ちをぶつけ、それに触発されて二人の仲が前進する。子供は明るくて可愛い、わりと聞き分けの良い子なんだけど、そのシーンではワンワン泣いて気持ちをあらわにするという、子供の感情の動きも織り交ぜてうまく着地させるという展開が巧い。

野ばら (マーブルコミックス)野ばら (マーブルコミックス)
(2010/06/20)
雲田 はるこ

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何といっても子供が可愛い(笑)。子供がいるからこそのイベントで二人の距離がすこしずつ縮まる。一番の山場、父親が倒れてしまい、子供が泣きながら相手役の男子に連絡を入れるシーン。これでふたりの関係がバチッと決まったといっても良い。
Hシーンで、子供がバーンとドアを開けてジャマしちゃうというお約束も有り。

檻の外 (Holly NOVELS)檻の外 (Holly NOVELS)
(2006/05/25)
木原 音瀬

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これは漫画じゃなく小説だけど、子供をうまく取り込んで物語を転がしている作品。
気持ちの方向性が全く違う二人をなんとか結びつけているのが子供であり、二人(といわず周囲)の関係をガラッと変えた。かなり極端な展開だけど、ここまでしないとこの二人がくっつかなかったのは明白。
また、子供視点による二人の関係を見つめた続編も良作。これは小説じゃないと難しいかも。


私が今まで読んだなかで上手いなーと思ったのは以上の3作品。どの作品も子供がいないと二人がくっつかなかったという点が共通している。


「子連れBL」は今はひとつのジャンルとして定着している。
子供がいる=もとはノンケ(仮面夫婦は除く)という、一発でキャラが固まる&子供が潤滑油となって物語が面白い方向に転がるという利点もあるが、反面、子供をうまく使わないと普通のBLとなんら変わらないというナンダソレな出来にもなるという、意外に怖いジャンル。

「子連れ」というのは、「サラリーマン」とか「料理人」とか「スポーツ選手」などのようにひとつの「キャラクター」ではあるのだけど、子供という存在がふたりのあいだに入り、時には邪魔をしたりあるいはキューピッド役になったりという点で「職業」とは別のキャラクター設定となる。

また、子供がいるということはもちろん「相手」がいるわけで。その辺の処理(離婚しているのか不倫なのかはたまた死別なのか、もしや仮面夫婦なのか?)も話に絡まないとリアリティが弱くなる。この「相手」の描写も「子連れBL」の醍醐味だろう。上に挙げた3作品はどれも、その辺りもキッチリと読ませてくれる。

奥さんがいたり彼女がいたりするBLより「子連れ」は話に子供が絡む率が高くなる点で、やはりひとつのジャンルとして成り立つくらいに物語の骨格を固めてしまうのだろう。そのため、子供の存在感を前面に出し、子供をキーアイテムとして「使う」ことにより物語が動かないと意味がないのである。




子連れといえばこんなのもある。

子連れオオカミ (バンブー・コミックス 麗人セレクション)子連れオオカミ (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
(2009/01/27)
井上 佐藤

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オオカミの血族 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)オオカミの血族 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
(2010/07/27)
井上 佐藤

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「子連れオオカミ」はシングルファーザー同士の恋愛という、意外に他では見かけない作品。続編「オオカミの血族」では前作の父親の子供(もちろん男同士)もくっついちゃうという、なかなかの業の深さを見せてくれる。


これは余談。アニメ「TIGER&BUNNY」も「子連れ」だ。子供がいるオッサンとイケメン青年のコンビが腐女子のハートをがっちり掴んで離さなかったおかげで同人界に一時期オッサン受けが増加した。これで目覚めた人も多かったとかなんとか。




では。

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