ヨミコミ!

漫画のレビューしてます。青年漫画、BLが中心。成年漫画やアニメ感想なども。

映像研には手を出すな! 1~2巻 大童澄瞳 レビュー





浅草みどりはアニメ制作がやりたいが、一人では一歩が踏み出せない。そんな折、同級生のカリスマ読モ、水崎ツバメと出会い、実は水崎もアニメーター志望なことが判明し…!?
金儲け大好きな美脚の金森さやかも加わって、「最強の世界」を実現すべく電撃3人娘の快進撃が始まる!!!


稀有な読書体験。
お話はアニメ制作に猪突猛進な同好会、というものだけれど、アプローチ次第でこうも風変わりな話になるんですね。

作者のフェチ全開なメカ、風景描写などなどが目白押し、白眉はやはり毎話挿入される詳細な設定の見開きでしょう。

シームレスに妄想と現実を行ったり来たりする展開の中、話の流れもなんのそのと言う感じで見開きドーン。最初は驚きつつ読んでいたんですが、そのうちにこの見開きが楽しみになってきます。

1ページの情報量が多いせいか、かなり…読みにくいです。…少なくとも、私は読みづらいなーと思いました。
台詞回しや演出など、かなりアクが強い部類の作品なのは間違いないです。

ですが、フェティシズムが滴り落ちんばかりの画面は眺めているだけでも楽しい。

個人的には金森のヴィジュアルが最高に好き! です。大きくて目つきが悪い女の子は良いですね。

脳に負荷がかかる漫画を読みたい方に、オススメ!


では。



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魔術師A 意志強ナツ子 レビュー



私はどこにでも行けるけど 君たちはどこにも行けないからね

ビデオショップの奥、ホテルの浴室、夜の美術室、土管の陰、祈祷サークル……
禁忌(タブー)を踏み越えた女子高生たちが迷い込んだ、目を背けたくなるほどの『美』の世界。


劇画狼のエクストリームマンガ学園』にて紹介されていたのがキッカケで、購入してみました。

キャワユイ絵柄だけれど、登場人物の目はみな虚ろ。そんな絵柄で丁寧に描きだされるのは、
『「自分だけは特別だ」って思ってるけど、所詮アナタもその他大勢の中の一人だよ?』
という冷徹な視線。

私も、あの人も、もしかしたらこの人も、「自分だけが分かってる」「自分だけが気付いている」と思い込んでいるかもしれない。このアホみたいな世界で、自分だけ冷静に、周りが見えている、と……
そう、あなたが思うような事は、皆思ってるんだよ……っと、どの作品もガンガンにぶつけてきます。痛い痛い痛い。分かったからヤメテ~。

「意志強ナツ子って変わってるペンネーム! 漫画もすげー! この作品を理解できるのって私だけじゃね? 分かる人には分かる作品なんだよね~! まあ、万人にはオススメできないかもな?」
……なんつって、この作品を読んでいる人にも膝カックンしてくるようです。
皆そう思ってるんだよ」……と。

それはタイトルにも象徴されています。「魔術師」じゃなくて「魔術師A」。Aさん(仮名)みたいな感じですかね。

ただ、自分に還元してくる創作の世界で、こういう真摯な視点を持ってしまっていると、創作もなかなかシンドイんじゃないかなーなんて思ってしまいます。
ゆっくり描いてもらって、そんで、ゆくゆくは商業BLを描いてくれ(本音)。

この漫画を読み終わった後、どこかで同じような気持ちになった経験あるな~と思ったら、大槻ケンヂの『林檎もぎれビーム!』を聴いた時でした。ぜひ皆さんも聴いてみてください。

読もうかどうしようか迷っている方、トーチWebで単行本収録作品が読めますので参考にしてみては。

個人的お気に入りは『まこちゃん式画塾』です。冷や水ぶっかけられレベル、純度100パーセント。


万人にはすすめられないけど~……(言っちゃってる)
オススメ!


では。



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匿名の彼女たち 6巻【完】 五十嵐健三 レビュー



独り身会社員の風俗叙情詩、ここに完結。

終わってしまった……。

『山下貴大 33歳 独身 彼女なし 趣味・・風俗』と言う紹介から始まる、孤独の風俗探訪記。
本名も知らない、言っている事が本音なのかもわからない『匿名の彼女たち』とのひとときの逢瀬を冷静な視点で切り取った作品。途中、ややマンネリ気味な所もあったように思っていたのですが、完結と言う事で改めて読み返してみると、どの話も面白かったです。

職業への偏見、男女の越えられない壁(性差だけではなくもっと根本的なもの)、老いと向き合う事の悲哀などを受け入れ、飲み込み、たくましく仕事をこなす彼女たちに圧倒されたり、はたまた職業意識の欠片もないような嬢に当たって憤慨したり。
しかし、帰り際にはいつも我が身を振り返り、しんみりとしたモノローグが苦い余韻を残す。

人間のエゴ、我が身可愛さに取ってしまうイタイ行動なども真正面から描きながらも、押しつけがましくない絶妙なバランス。
突き放したような客観的な視点に毎回ドキッとさせられます。

ラスト三話は何があっても風俗に行く主人公が、まったく違う行動を取ります。
そして最終回。この作品ならではの苦いラストですが、感動しました。孤独に夜の街に繰り出す主人公の背中を見つつ「この漫画はハードボイルドだったんだなぁ…」と思った次第です。

風俗がメインの話と聞いてエロを求める読者もいるかもしれませんが、エロを期待して読むとかなりしっぺ返しをくらう作品なのは間違いありません。自らの身をついつい振り返ってしまい、賢者タイムとはまた別の、ビターな脱力感を覚えることでしょう。

人間の、男女の悲しみ、ささやかな喜びを描いた傑作です。

終わってしまったのは寂しい…。

オススメ!


では。


★前のレビュー(簡易版)★


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いぬやしき 2~10巻【完】 奥浩哉 レビュー



ハタ迷惑な運命に翻弄された、対照的な主人公ふたりの物語もこれにて完結。

途中、犬屋敷さんの正義が暴走していくのか? とか深読みしてましたが、そんな事はなく、キッチリ「悪」「善」の明暗を分けて描いてました。

ラストは泣いちゃいましたが、

でもでも、獅子神の退場だけは納得いかない。
獅子神に殺された人たちは~!? スゲー単位で人殺してんのに……まあ、その何万倍以上の人名を救うことになる自爆エンドはカッコ良いけどさあ~……。
あんだけ無敵だったのに、おとなしく法で裁かれましたって展開の方が溜飲が下がるのに……。

メディアミックスも盛り上がってるそうで、これからまだしばらくは「いぬやしき」注目ですね。

では。


★いぬやしき 1巻 レビュー★

パンティストッキングのような空の下 レビュー

あまぞん

作者の考えを押しつけられる作品は苦手だ。メッセージ性が嫌いというわけでもないが、もし訴えたいことがあるなら直截的に描かず、暗喩として物語に組み込んで欲しい。それを感じ取りたい。俺はこう思う、私はこう思う、などと声高に訴えられても、ゲンナリしてしまうだけだ。それならノンフィクションを見るよ。私が漫画で読みたいのはそういうんじゃないんだ……と思う。

この単行本も作品によってゲンナリ度は上がったり下がったりしたが、作者の考えがちらつく場面が多く、聞いてもいない自論を延々と聞かされている気分になった。

特に描き下ろしの『平成の大飢餓予告編』だよ。こういう話題を漫画で持ち出すのはどうなのか。ギャグやパロディなら苦笑で済むが、真面目に描いてるのが分かるぶんいたたまれなかった。あの見開きは、正直イタイぞ。

『渡辺くんのいる風景』という作品はまだ良かった。作品と作者の距離がうまく取れていたので読めたが、他の作品はやはり作品と作者がベッタリくっつきすぎていた。
『唯一者たち』は最たるもので、いろいろ都合よすぎ。あんまり都合いいから、実は女の子が主人公にしか見えない天使のような存在かと思ってたら(絵柄も若干違っていたので)、そんなことなかったし。

あとがきでも分かるように、なんか自分の主張する世界に浸りすぎているような。もう少し作品と自分を離してみたほうがいいのではないか。


あ、装丁はすごく良かった。ジャケ買いしたもんね。
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